東京から電車で1時間の距離に、海と山があってよかった。〜鎌倉、由比ヶ浜海岸に行ってみた
海が見たい。
お盆も過ぎた8月17日の朝、ふとそんな事を思った。
幸いにして天気は晴れ。
しかし気象アプリが叩き出す最高気温は37度。
体温だったら微熱で済むが、地上の温度としては地獄めいた数値である。
窓を開ければ空は青い。ガラス玉のような風が吹き込む。
それを体で受け止めてしまい、迷う余地はなくなった。
カバンに財布とスマホとタオル、
それから行きしなに寄ったコンビニで、
ポカリスエットのペットボトルを買ってぶっこんだ。
行き先は、由比ヶ浜。
品川駅からJR横須賀線に乗り換えて、
40分程度揺られれば鎌倉駅に到着する。
降りた瞬間、突き抜けるような強い日差しと、
山と海の両方から溢れる強い生命力の波動に全身包まれて、
20代のうちに鎌倉に引っ越したいなーなんて事を思った。
あと5年もあるじゃないか。ワンチャンいけるで。
鎌倉駅から15分ほど、
こまめに水分補給をしながら歩いていけば、
由比ヶ浜にたどり着く。
江ノ電を使っても行けるが、
たいして歩く距離変わらない上に
江ノ電はいつだって死ぬほど混むので、
体力に余裕があるなら歩いた方が得だと思う。
道中、いろんなお店見れるし。
お盆過ぎだというのに海水浴客はたくさんいた。
私は親から
「お盆に海や川に近づくと、あの世のものに引っ張られるから、海水浴は絶対に盆入り前までにしておけ」
と強く言い聞かされて育ったのだが、
世間はそんなことお構いなしのようである。
そこで私もちょっとだけ悪い子になることにした。
海水浴はしないけれど、
この暑さだし、海に足をつけるくらいはしたかった。
波打ち際に足を浸すと、
さらさらとした砂の流れの中に混じって、
小さな無数の小魚が泳いでいるのがよく見えた。
砂浜にはヒトデも打ちあがっていた。
顔を上げてあたりを見れば、随分波が高い。
やっぱり海は盆をすぎたら
人間が海水浴にくるものではないのかな、と自然に思った。
波打ち際まで寄せる小魚も、必死に砂に潜る貝も、
充ち満ちてくる潮の昂りも全てが力強さにあふれていて、
あたり一帯が海の生き物たちの空間に戻っていた。
これだけ波が高ければ、さらわれもする。
持ってかれもするだろうな。
ちょっと破ってみたけど、
やっぱり先祖代々の言い伝えは正しそうだ。
存分に海のエネルギーを浴びて、
満足して駅に戻る途中、気になるお店を見つけた。
GOKURAKU CURRY…
ネーミング気になりすぎる。
メニューもなんか、強いし。
営業時間が14:30までらしく、
私が訪れた時点では終了してしまっていて残念だった。
今度来た時に行ってみよう。
鎌倉。
東京からたった1時間で還れる、
山と海のエネルギーをもらえる土地。
移動時間だけで見れば、
松戸や柏あたりに住んで
東京方面に通うのとそう変わらないし、
自然とつながる生き方をしている人たちが
続々と鎌倉に移住しているのも頷ける。
こういう土地に、
またいつでも来れるということは、
かなり心強いなと感じた。