自分の大学4年間はすべて同人活動に捧げたという事を、内定式にて思い出した。 ~ 学生生活は、みんな違って、みんなかけがえがない。
10/1。本日は来年度新卒を迎える、内定式だった。
私は2018卒。2020卒がもう入ってくるのだ。まだまだ若手、新人のような気分でいたけど、そんなことも言ってられないのだなと思う。
「毎年、前年度より優秀な学生を採用する」。
たいていの人事担当者はそんなコンセプトで採用活動を行っていると、昔誰かに聞いた気がする。会社を継続的に成長させていくためには、より選び抜かれた優秀で、伸びしろのある人材が必要だというわけである。
そして事実、弊社においてはそれは果たされているように思う。少なくとも、学生時代の経験を見る限りは。今私が学生の立場でうちの会社受けたら、きっと受からないだろうと思う。
学生ながら既に起業を経験したことがあるという人もいた。誰もが知る超大手から内定をもらっていながらも、挑戦する環境を求めてうちの内定を承諾してくれた人もいた。そんなバチバチに優秀で輝かしい経歴の後輩たちを前にして、私は学生時代、何をしていたっけな、と思い返していた。
2014年、一浪したのちに辛くも滑り止めに引っかかった私は、都内の某私大に進学した。心理学専攻として、発達心理学、臨床心理学、学習心理学など幅広い分野の心理学の講義を履修しつつ、4年間の学生生活の中で私が最も多くの時間を費やしたのは間違いなく同人活動だった。(全然心理学関係ない)
講義の間も、レジュメの横に広げるのはノートではなく四つ折りにしたコピー用紙。
漫画のネームを切るために、数えきれないほどのコピー用紙を費やしてきた。
講義が終われば、切ったネームを手に大学図書館に移動して、そこで今度はネームをもとに原稿用紙に本チャンの漫画を描き進めていく。
鉛筆での下書き、ペン入れはミリペンで行っていた。線の太さが均一になるのが好きだったし、Gペンとかと違ってインクにいちいちつける必要がないから、どこでだって描けるのが魅力だった。
4年間、ほぼ毎日、ずっとずっと漫画や絵だけを描いてきた。
画力や絵のクオリティを上げたいというよりは、頭の中に次々わいてくるアイデアを、キャラクターのこんな側面を見たいという妄想を、できる限り早く筆に乗せてアウトプットすることにすべての命を費やしていた。
そのおかげで、フルカラーの漫画1ページ、白紙から完成させるのに1時間程度でできるだけの速度は身に着けることができた。
そして爆速の描画スピードが身に着くのに伴い、画力の方も(神絵師になった、とまではいえないが)かなりいい感じに成長したと思う。
思えば、私の創作狂いは予備校時代から始まっていた。
朝、予備校へ向かうバスの中でスケッチブックを広げ、車が揺れるのも気にせずにひたすら人体のクロッキーを行っていたこと。
予備校についてから、自習時間に(決して褒められたものではないが)女子トイレにスケブと色鉛筆をもって引きこもり、ひたすら絵を描いていたこと。
そうした狂気のような創作の経験が、私に作る喜びを教え、今ここに至るまで私を運んできているのだな、と実感する。
私の学生時代には、起業の経験も、学生団体の代表を務める経験もなかった。
それでも、自分が4年間で積み上げ身に着けてきたものは、他の誰ひとりとして持たない唯一無二の宝である。私の大学生活は心から楽しかったし、そんな4年間を送れたことを私は自分で誇りに思っている。と、暖かな胸の感覚を抱きしめながら思った。
20卒の後輩たちよ。
君たちの大学時代の話も、いつかきっと聞かせてくれ。
それぞれ違う輝きを宿す、かけがえのない魅力的な学生生活を送ってきた君たちだからこそ、今日この場所にいるのだろうから。
内定おめでとう。