もののけとけもののけ

迷い走る人生 ほどほどにナイス

そんなにお酒好きじゃないって事に5年飲んでてようやく気付いたんだよね。~本当に欲しかったのは「人との交流」だった

知り合って歴が浅い人に聞かれる定番の質問、

「カヤノさんってお酒強いの?」。

そう聞かれるたび、表現こそ変わるが、大体こんな答えを返してきた。

「四天王の中で最弱…って感じかなあ…」

 

基本的に上司の酒の誘いを断ったことはない。

飲み会の幹事もたくさん務めてきたし、会社の同期がたちあげた「酒好き&酒豪=酒クズ」のslackグループにも入っている。大学時代には後輩を飲みにつれていき奢るなんてこともしょっちゅうした。

人と飲めるお酒の機会には、ほぼ必ず乗っていた。

 

二日酔いで会社を休んだことは一度もない。しかし、二日酔い自体にはなることはたまにあった。割れそうな頭痛を抱え込んで、コンビニで「ほっとレモン」しじみの味噌汁」を買っていき(この二つはアルコールで弱った体調の回復に抜群に効く。個人的な所管ではあるが)、会社でしわしわのピカチュウみたいな顔をしながら摂取する。それで何とか気合を入れて業務に臨む、という日もないわけではなかった。

 

 

 

今年の6月に25歳の誕生日を迎え、酒クズグループのメンバーから「桃」と「レモン」のお酒をもらった。

「これで宅飲みでもしなよ」と、グループメンバーはにこやかに笑う。
それを受け取って私も心からありがとうと、うれしいと言って、
帰路についていざ一人になり、気づいてしまった。
 

 

 
 
私は一人での宅飲みというものを、社会人になってから一度もしたことがなかった。
 
大学生のころは彼氏がいたので、たまにうちに来てお酒を飲むこともあり、中途半端に余った酒を一人で消費したりすることもあった。
しかし社会人になり彼氏と別れ、完全に一人の時間を家で持てるようになってからは、「酒」そのものに触れる機会も興味も失っていたのだ。
 
率直な私の心の声を聴いたら、「家で一人で酒を飲むくらいなら、絵を描く」「本を読む」「三味線を弾く」…といったところが本音であり、事実、それに基づいた行動をとっていたのである。
 
つまるところ、
私は人とコミュニケーションを取るツールとしての酒を愛していたのであり、酒そのものが好きなわけでは決してなかったのである。
 
とことん寂しかったから、そこまで好きじゃない味も自分の舌をごまかして飲み、それで楽しくなって人々と笑いあう。それができるから、お酒を好きだと錯覚していた。
 
だからこそ、そこまで意図せず答えていた「四天王の中で最弱の存在」という自分に対する表現は正しい、と思った。
他の四天王たちは本当にお酒が好きなのだ。家でも一人でも飲むだろうし、おいしいお酒が飲めるお店を見つけたらそこにだれがいようがいまいが関係なく小躍りするだろう。
私は、なまじそれなりに飲めるばかりに皆と同じグループに所属しているが、別に「酒」自体が好きなわけではない。当然、ほかのメンツと比べれば「酒クズ」度合いも下がるというもの。
 
なんだか自分のことがどこにもいられないコウモリみたいに思えてしまって、少し悲しい気持ちになった。
空を飛べる翼をもちながら、自分が鳥の仲間ではないと気づいてしまったコウモリは、これからどんな気持ちで空を飛べばいいんだろうか。
 
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社会人になり初めて一人であけたレモン酒は、やけに甘じょっぱく感じられた。
 
 
 

↓余談ですが、こいつを飲んでから飲み会に行くと二日酔いになる確率が体感でかなりカットできるのでよかったです。味もそれなりにおいしい。(※個人差はあります)