新卒で入社して丸2年間勤めたゲーム会社を退職しました。
2020年1月31日を以て、新卒内定者インターンで入社してから丸2年勤めたゲーム会社を退職しました。
何をしていたか
デバッガーの内定者インターン時代
2018年2月1日に内定者インターンとして入社してから同年3月31日までの間は、女性向けソーシャルゲームのデバッガーとして勤務していました。
まだこの頃は大学生で、卒論とかなんかいろいろあったので、週3日だけの勤務でアルバイトさんみたいな感じで入ってました。
ゲーム内で特定の操作を行った際にバグが発生しないかどうかをチェックするのが主な業務内容でした。
検証端末でゲームを開発側の機能から触りつつ、仕様を理解することで、本入社してからの業務に備える意図もあったと思います。
また、チームランチの準備等、社内コミュニケーション活性化に関する業務も、新卒入社の1つ上の先輩に指示されて手伝わされていました。
(先輩の指示が丸投げだった割にはダメ出しばっかりされたので、一度キレてバチボコに喧嘩したことがあります。)
ゲームプランナーの1年目
4月1日をもって内定者インターンから正社員に雇用形態変更になりました。
そこから1か月間は新卒同期30名ほどと一緒に全体研修を受け、その後職能ごと(企画・エンジニア・デザイナー)に分かれての研修を行いました。
全体研修では、いろんな先輩方が来て自分のキャリアパスの話をしてくれたり、会社が大事にしているビジョンやミッションなどについて考えを深めるワークがあったり、入社前に読んでおくように渡されていた本について代表取締役CEO自ら講義をしてくれたりと、座学形式での学びを得る機会が多かったです。
あと普通にビジネスマナーとかについても多少やりました。
研修最終日に、18卒の同期全員で、お世話になった先輩方をもてなす謝恩会を企画実行しました。同期のみんなとものづくりできたのは本当に楽しくて、忘れられない思い出になりました。
ちなみにこの謝恩会の準備で初めて自主的な深夜残業というやつを経験しました。
(まだ研修中なのに! って人事部の姉さんには少し叱られました。その節はすみませんでした。)
研修が終わった後、私はインターン中とは別の女性向けゲームのプロジェクトに配属になりました。
そのプロジェクトのリーダーは3つ上の新卒入社の方で、とてもよく面倒を見ていただきました。たぶんこの頃が一番会社楽しかったです。
デバッガーとして仕事しつつ、それだけでは暇になってしまっていたので、自主的にゲーム内イベントシナリオの校閲やったりチーム内備品管理やったり、とにかく馬車馬のように働いていました。
働けば働くだけ認めてくれて、ほめてくれて、ほんとうにやりがいがありました。
そうしてしゃかりきに頑張っているうちに、成果が認められ、一番最初に内定者インターンとしてかかわったプロジェクトでがっつり企画に入ることになり、8月に異動をしました。
異動先のプロジェクトははっきりいって全然合いませんでした。
扱っているIP(版権)は大好きだったので、なんとか作品への愛だけで毎日の仕事を続けていましたが、
「プランナーはエンジニアさんとデザイナーさんに土下座して、ディレクターと版元に踏みつけられる仕事なんだな」
と死んだ目をして同期と語り合うのにそう時間はかかりませんでした。
正直このあたりの記憶があまりないです。
何をして休日を過ごしてたかとか、どんなことが楽しかったとか全然覚えてない。
ただ、この時期に自分が企画した施策の詳細だけは今でもよく覚えています。
それしか愛を注げるものがなかったから。
企画は本当に楽しかったな……。
何度も何度も原作の隅々まで見返して、このキャラだったらこんなネタ見られたらファンの方は喜ぶかな、このキャラとの絡みはどうだろう、と、とにかくその作品のおいしさだけを最大限引き出すよう心掛けて働き続けていました。
2019年2月にゲーム内で深刻なバグが発生し、2徹からの12連勤……という限界社畜としての務めを果たした後、私の中でなにかがぷっつりと切れた音がしました。
初めて精神科にかかりました。適応障害という診断でした。
その診断を以て、3月に私は人事部へ異動をしました。
人事の2年目
人事に移動してきた直後の記憶もあまりないです。
ただ、19卒の入社を目前にして、入社式の準備で人事部の方々は大忙しだったことは覚えています。
皆が駆け回るのをぼんやりと眺めながら、私は、
「19卒の子たちは、私みたいに泣きながら会社にくるようなことにならないといいなあ。苦しくて苦しくて仕方ないのに、誰も助けてくれないなんて悲しすぎる……それなら、私が19卒の子たちの最後の受け皿になろうかな……」
そんなことを考えて、新卒育成補佐としての業務に関わり始めました。
19卒を対象にした研修に関して、外部講師の方とのやり取りを行い、つつがなく皆が学びを得られるように裏で準備を行いました。
研修の様子を後ろから見ていて、個人的に様子が気になる子については、育成責任者の人事の姉さんに相談したり、個人的にランチに誘ったりして話を聞いてみるように働きかけました。
会社の文化を伝える本の編集にも関わり始めました。
私のいた会社は、ビジョンやミッションをとても大事にしており、それもただの押し付けにならないよう……会社の掲げる目標に対して、社員一人一人が「どう考えるのか」を問いつづけていました。
本を作るにあたり、職種も、性別も、年齢もバラバラにインタビュー対象者となる社員を選び出し、一人一人に取材を行いました。
アンケート形式で、社員ひとりひとりから質問への答えを募ったりもしました。
代表取締役CEOとは2週間に1度の定例で、どんな本にしていくのかということについての意見交換を行いました。
それらの業務と並行して、じっくりと自分の内面を掘り下げていく……というのもやっていました。
私はどうして、自分の心がズタズタになる程がんばらなくてはならなかったのか。
私を突き動かす恐れの正体とは何なのか。
そんなことを考えて、書き留めたくて、このブログを開設しました。
親への思い、恐れ、執着、自己否定。
複雑に絡まりあった苦しい意図を少しずつほどいていきました。
↑こんな感じで。
季節は移ろい秋になり、いろいろ限界を迎えた私は、最後に19卒のために「社員合宿」を企画実行し、その完了をもって崩れ去るように休職に入りました。
toshino-bakeinu.hatenablog.com
toshino-bakeinu.hatenablog.com
それから3か月くらい休職して(その間に副業とかもして)、復職することなく会社を去るに至りました。
退職理由
男子校みたいな世界観が合わなかった
社内でもプロジェクトによって全然雰囲気違うので、全社的にこうだったというわけではない……
という断りを入れた上で、脳が思い出すのを拒否しなかった範囲でドン引き案件を列挙します。
- 公共の場で風俗の話をする男性上司
- 出張先で上司に風俗に連れて行ってもらう男性同期
- 男性の同期だけが上長に会食に連れて行ってもらえる
- 男性の同期だけが出張にry
- 男性の同期は退勤後上長につれられ銭湯にry
- 「生理痛ひどいんで休憩していいですか」と男性上司に打診したら「そういうこというとカヤノのほうがセクハラになるよ」とたしなめられる(???意味不明)
- 数少ない3年以上勤めてる女性はスッピンで男性と同化or独自路線でとがりまくってガラパゴス化(特殊戦略を打たないと生き残れない)
性欲旺盛でぎらついてる男子同士のノリに混ざれないとやっていけない感がものすごかったなあ、と思います。ゲーム会社男性多いからね……。
多様性をうたってる割にはリモートワーク不可だったし、別にダイバーシティとかはなかったし、女性にとっては普通に働きにくい会社でした。
中途半端な体育会系というか。
そういうノリに適合できずにドン引きしちゃうような子は機会とかも与えられなくて、それを「お前の信頼が足りないからだ」みたいに自責させる空気がマジで意味不明でした。
当時は意味不明とも思わなかったんですけどね。半ば洗脳されてたので、
「そうか…適合できない私が悪いんだ…苦しいなあ…悪い子でごめんなさい…」
くらいに思ってた。反吐が出ますね。
あとは新卒・若手にとりあえず雑用全部ぶんなげるのとかもね……。
「経験になる」「期待してるからやらせるんだ」
というのは、まあ体育会系の愛だと思うんですけど、
それを愛として渡してくるなら、受け取る側の心理的安全性があるかどうかの確認もしてほしかった。
別に要らなかったのに、受け取らなきゃ機会を奪われる気がして苦しかった。
抱きしめた「愛」が胸の内側につきささって毎日流血していました。
私が人事として出せる価値は、もうこの会社には必要ないと判断した
私がそもそも人事の仕事をしてたのって、
「もう誰も私みたいに苦しむ若手を出したくない」
というのが一番強い動機だったんですが、採用方針を鑑みるに、今後はどんどんメンタルの安定した完璧超人ばかりを取っていく形になると思います。マジで多様性とは何だったのか。
そうなってくると、そもそも苦しまない子たちばかりになっていくのでしょうから、私の願いもいらないものなのかな、と。
救うべき人が周りにいないなら、遠慮なく私自身だけ救わせていただきましょう。
もう疲れ果てましたので。
今の思い
散々書きましたけど、1年目の8月までお世話になったゲーム事業部のプロジェクトリーダーと、人事部の皆さんには本当に感謝してるんです。
自信がなくて卑屈だった私を、おおらかに肯定してのびのびとやらせてくれたのがリーダーでした。
周りの期待に応えるため心を殺して頑張りがちだった私に、自分軸で生きること、主体性を持って命の使い方を決めていくことを教えてくれたのが、姉さんをはじめとした人事部の皆さんでした。
新卒でこの会社に入って本当に良かったと思ってます。
自分の人生に、きちんと向き合う機会をもらえた。
これはこの先の一生涯に渡り、かけがえのない財産になると確信しています。
このあと何をどうやっていくのかは正直まだ具体的には見えていないのですが、なんとなく人生に追い風が吹いてきているような感覚があります。
完全に直感ですが。
これからやりたい事
これから先は、自分の心に嘘をつかずに生きること。
愛と恐れの二択になった時、必ず愛を選ぶこと。
それを以て、人々の心を癒し励ますコンテンツやサービスを作り届けていきたいです。
やっぱりモノづくりがしたい。
作るものにこだわりはそんなにありません。
ただ誰かが愛を注げるようなものがいいなあ。
キャラクターやIPコンテンツを育てるのとかはやっていきたいかも。
誰かの人生を勇気づけ、癒せるようなコンテンツやサービスを作っていきたいですね。