復職する気のない休職中の身の上に「凪のお暇」が刺さる。
※音声でこの記事の内容を聞く場合は以下をどうぞ。ほぼ同じこと喋ってます。
こんばんは。
エンタメ・流行に疎い、犬吠埼カヤノです。
流行を追うとかいろんなジャンルのエンタメに詳しいこととか、
ゲームプランナーの必須条件なんですけどね。
まあそれだけ他の子たちに比べて視野が狭いという表現のため、
代理キャラは単眼で表現してるみたいなところあるんですけれどね。
まあもちろん普通に単眼娘好きというのもありますが。
で、そんな流行に疎い私ですが、
自分のこの先のこととか今のこととか考えてて、
ふと思いつくことがあったんです。
「主人公が過呼吸になって会社飛び出して、身一つで引っ越しちゃう……って漫画あったような気がするな……」
「……『凪のお暇』だったかな」
うろ覚えの記憶を頼りに検索してみたら、
今年の夏にドラマ化もされてたみたいですね。
改めて、流行に疎すぎやん、私……。
あらすじはざっくり書くと、
「空気を読む事」にエネルギーを使い、
周りに嫌われないように必死で取りつくろいながら生きてきた
28歳の主人公「凪」の唯一の趣味は、節約すること。
なんとかしんどいなりに会社に勤めつつ生きていた凪だったが、
同じ会社の彼氏が、自分と付き合っている理由は
「体の相性がいいというだけ」と笑い話にしているのを
偶然、耳にしてしまう。
そのまま過呼吸になり、自己都合退職をして郊外の安アパートへ引っ越し。
大義名分を得た節約ライフを糧にして、しばし、「お暇」頂きます。
という感じです。
うわぁ……
ってなる。
何とか普通にしようと、
平気なように取りつくろおうとしても
心があまりにつらい現実に直面すると
呼吸の仕方分からなくなっちゃうのも
すごいリアルだったし、
たいてい、そういうのの引き金というか、
とどめの一撃というか、根本的な原因になるのは
恋愛絡みだというのもすごい個人的にはわかる。*1
わかりすぎて
うわぁ……
ってなってました。
読んでて特に沁みるのが、
凪ちゃんの自己肯定感の低さがそのまま、
ブラックホールのようになって、
つらい現実を吸い込み引き寄せてるっていう事でした。
だから、すべてを断捨離して飛び出していった先では
凪ちゃんを取り巻く世界もちょっと優しくなっていくというか、
世界を違う見え方でとらえられるようになっていくんですよね。
とはいえ、今まで28年間握りしめてきた
苦しい世界は、なかなか凪ちゃんを離してはくれないし、
登場人物それぞれがそれぞれの持ってるバイアスのもとに
苦悩しあいながら関わってる様子がリアルでした。
この漫画にだれも、根っからの悪人はいないんですよね。
ただみんなそれぞれに、違ったバイアスがあって、
それが行動をゆがませているだけ。
……
私も趣味は「創作すること」の一個だけ、
周りと比べたり気にしすぎちゃったりして
過呼吸になって会社にいられなくなったし、
恋愛がらみで若干しんどいし、*2
身一つで飛び出していく計画も立ててる真っ最中、
と現在、ちょうどそんな感じです。
なんか、境遇とかも含めて、
ここまで共感できてしまう作品がこの世にあるのが
怖いなーっていう感想を抱いているんですが、
これこそが、私が大量にはエンタメに触れられない
原因の一個としてある気がしてきました。
共感しすぎて疲れちゃうんですよね。
まだ2巻までしか読み終えてないので、
少し休憩したら、3巻以降も読んでいきたいなと思います。